食卓から考えるSDGs。食品ロス削減のために私たちが今日からできることと、規格外農産物の新しいカタチ

SDGsという言葉を耳にする機会は増えましたが、「食品」とどのようにつながっているのか、具体的にイメージできている人は多くないのではないでしょうか?
実は、食品の生産から消費、廃棄に至るまでの一連の流れは、環境や社会に大きな影響を与えています。
フードロス削減や持続可能な農業、資源の有効活用など、食品分野にはSDGsと深く関わる取り組みが数多く存在します。
本記事では、SDGsと食品の関係を整理し、注目されている取り組みや具体的な事例をわかりやすく紹介します。
SDGsと食品の関係とは?

私たちが毎日口にする食品は、地球環境や社会問題と密接に繋がっています。
食の持続可能性を確保することは、人類が直面している課題を解決する鍵となるでしょう。
本項では、以下の内容について詳しく解説します。
食品分野がSDGsで重要視される理由
食品の生産から加工、流通、消費に至るまでの各工程が、気候変動や生物多様性の損失に直結しているからです。
具体的には、農地を確保するための森林伐採や、家畜から排出される温室効果ガスが地球温暖化を加速させています。
食品分野の課題解決が急務である根拠は、主に以下の3点が挙げられます。
| 項目 | 内容 |
| 温室効果ガスの排出 | 世界の排出量の約25%が農業や食品由来である。 |
| 水資源の大量消費 | 1キログラムの牛肉生産に約20,600リットルの水を要する。 |
| 世界人口の増加 | 2050年には97億人に達し、食糧需要が1.7倍に膨らむ見込。 |
これらの事実から、現在の生産体制を継続すると、将来的に十分な食料を確保できなくなる恐れがあります。
私たちは、環境への負荷を最小限に抑えつつ、安定して供給できるシステムを再構築しなければなりません。
まずは、身近な食品がどのようなプロセスで手元に届くのか、その背景に目を向けることから始めてみましょう。
食品と関係深いSDGs目標
食品産業は、SDGsで掲げられている17の目標のうち、多くの項目と直接的な関わりを持っています。
特に、飢餓の撲滅や生産責任、海の豊かさを守る視点は切り離せません。
食品産業が注力すべき主な目標は、以下の通りです。
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| 目標2 飢餓をゼロに | 目標12 つくる責任 つかう責任 | 目標14 海の豊かさを守ろう |
目標2は、持続可能な食料生産システムの確立を目指しています。世界では8億人以上が飢餓に苦しむ一方で、先進国では大量の廃棄が発生している矛盾を解消する必要性が求められます。
目標12は、生産者から消費者までが資源を効率的に活用することを求めています。食品ロスを2030年までに半減させる目標が含まれており、企業の取り組みが最も期待される領域です。
目標14では、過剰な漁獲を抑え、海洋生態系を保護することが求められています。水産資源を枯渇させないための国際的な認証制度の活用が、解決の糸口となります。
SDGsに取り組む食品分野の主なテーマ

食品業界では、環境負荷を抑えながら供給を続けるための変革が進んでいます。
資源の無駄を省き、自然環境と共生する仕組み作りが急務となっているからです。
本項では、現在注目されている3つの重点テーマについて解説します。
テーマ①|フードロス削減
まだ食べられる食品を捨てる「フードロス」の削減は、SDGsの最優先課題です。
食品ロスは、廃棄処理による二酸化炭素の排出を招き、気候変動を悪化させる原因となります。
フードロス削減が強く求められる根拠は、以下の3点です。
- 経済的損失の回避
- 廃棄コストの抑制
- 資源保護の必要性
企業は、賞味期限の延長や、規格外品の加工販売によって廃棄を最小限に抑える取り組みが実施される傾向にあります。
また、需要予測により、過剰な発注を防ぐ取り組みも一般化しました。
n!cecream 岸消費者に対しては、期限の近い商品を優先して購入する「てまえどり」の実践が推奨されるようにもなりました。
一方で、安売りされているからといって、使い切れない量をまとめ買いするのは避けましょう。
こうしたフードロス削減の取り組みは、規格や流通条件の理由で使われなくなってしまう食材を、加工食品として活かす形でも実践されています。
テーマ②|持続可能な農業・漁業
将来にわたって食料を確保するために、自然の再生能力を超えない生産手法が不可欠です。
化学肥料の乱用や乱獲は、土壌汚染や水産資源の枯渇を招き、生産基盤を自ら破壊する要因となります。
こうした事実から、農薬や化学肥料を抑えた農法にも注目が集まるようになりました。
また、MSC認証などの国際的な基準を守ることで、海の資源を次世代へ引き継ぐためのアプローチになります。
消費者にできることとしては、商品パッケージに記載された認証マークを確認して購入するなど、信頼できる生産者を支える選択が、食の未来を守る投資にもつながります。
テーマ③|環境配慮・資源削減
食品そのものだけでなく、容器や包装による環境負荷の低減も重要なテーマです。
プラスチックゴミによる海洋汚染を防ぐため、脱プラスチックやリサイクルの動きが加速しています。
環境配慮型パッケージの導入が進む主な理由は、以下の3点です。
- 化石燃料の使用量を削減し温室効果ガスの排出を抑えるため
- 海洋プラスチックゴミによる生態系への悪影響を食い止めるため
- 廃棄物の総量を減らし循環型社会(サーキュラーエコノミー)を実現するため
最近では、植物由来のバイオマスプラスチックや、リサイクル可能な紙素材への切り替えが一般的になりました。
ラベルレスボトルの普及も、ゴミの分別を容易にし、資源回収の効率を高めています。
購入時には、過剰な包装がなされていない商品や、詰め替え可能な製品を選ぶことも重要な選択です。
私たちにできるSDGs×食品のアクション


日々の食生活における小さな選択が、地球の未来を大きく左右します。
特別な知識がなくても、今日から始められる具体的な行動は数多く存在します。
本項では、生活者が意識すべき2つのポイントをまとめました。
背景を知って選ぶ
商品が「どこで」「誰に」「どのように」作られたかを知ることは、支援の形になります。
価格だけで判断せず、生産背景に共感できるものを選ぶことが、持続可能な社会への第一歩です。



買い物の際は、まずパッケージの裏面やラベルを確認してみましょう。
情報を得ることで、自身の消費行動が社会に与える影響を実感できるようにもなります。
完璧を目指す必要はない
SDGsへの取り組みにおいて、最も大切なことは継続です。
最初からすべての食事を完璧にしようとすると、負担が大きくなりすぎて挫折するリスクが高まります。
例えば「週に1回だけは認証ラベルの食品を買う」「冷蔵庫の余り物だけで1食作る」といった習慣から始めてみましょう。
小さな成功体験の積み重ねが、長期的な意識の変化をもたらします。
まずは、自分の生活スタイルの中で、最も負担の少ないアクションを1つ決めて実行するなど、無理のない範囲で行動することが、結果として最大の貢献に繋がります。
私たちが目指す、
新しい食のカタチを体験してみませんか?


規格外野菜の新しい出口をつくる、
私たちの挑戦から生まれたアイスクリーム。
食品ロスや食の背景について
考えるきっかけとして、
こうした事例に触れてみるのも一つの方法です。
まとめ
SDGsと食品の関係は、私たちの生存基盤そのものに関わる重要なテーマです。
フードロス削減や持続可能な生産を支援することは、将来の食卓を守る行動に他なりません。
企業が環境に配慮した製品を開発しても、私たちが選ばなければその取り組みは途絶えてしまいます。



まずは1日1回、手に取る食品の背景を想像することから始めてみましょう。
その「もったいない」を、
最高にナイスな体験に変えるために。


規格外野菜の新しい出口をつくる、
私たちの挑戦から生まれたアイスクリーム。
あなたが一口楽しむことが、
農家さんの笑顔と次の収穫に繋がります。


この記事の監修者
岸 はつみ
n!ce cream代表
「もったいないを減らし、おいしいを増やす」アイスクリームブランドn!ce cream代表。学生時代に農業に興味を持ち、大学卒業後は農業法人に勤務。自社農産物の加工品事業担当を経験し、現在はn!ce creamを運営。つくり手に寄り添うことを第一に、持続可能な農や食の在り方を模索中。









